1日1古典始めて下さい。



かまなびの受験生たちには、国語の受験勉強では、これまで読解問題・作文問題・漢字問題・現代文法問題を中心に学習してもらってきました。

 

これらの学習に、2学期からは古典問題が加わります。

 

高校受験の古典学習で重要視しているのが、とにかく古典の文章に触れさせることです。

  

イメージで言えば小学生の英語のような感じです。

 

小学生の英語では、文法がどうのこうのはひとまず置いといて、聞いて真似して、歌ったりゲームしたりするでしょう。そういう感じです。

 

古典も同様で、細かいことはひとまず置いといて、古典に親しみ、古人のものの見方や考え方に触れることの方に重きを置く。そんな学習です。

 

古典の解説本を多数出版している作家の橋本治さんは『これで古典がよくわかる』で次のように述べています。

 

「「古典を読みこなすには知識がいる」というのは、本当です。でもその前に必要なのは、「古典に慣れる」なんです。細かい知識に振り回されて「慣れる」ができなかったら、古典は永遠に無縁なままです。だから、まず最初に、「古典を読みこなすには知識がいる」という考えを捨ててください。じゃなかったら古典の中には入れません。」

 

さらにその慣れ方としては、次のように「暗唱」をして体で覚えようと述べています。

 

「今ではあんまりやらなくなりましたが、昔は「古典の勉強」というと、まず「暗唱」でした。冒頭の部分を覚えて暗唱するんですね。古典という「昔のもの」とつきあうのなら「昔のつきあい方」は有効です。だから私は、「暗唱」をおすすめします。・・・泳ぎをマスターするのにまず必要なのは、「水に入ること」です。古典の冒頭とは、その「水」なんです。・・・「古典は「昔の言葉」で書かれたものです。「今の言葉」じゃありません。その点で、「古典をマスターする」は「外国語をマスターする」と同じです。・・・でも、その「外国語のようなもの」である「古典の言葉」は、もう話す人がいません。「本の中にしかない言葉」です。だから、どうなるのか?自分で古典の言葉を暗記して暗唱して、それが「今でも使われている言葉の先祖だ」ということに、時々自分で気がつくのです。そのためにも「暗記・暗唱」は有効な手段なんです。」

 

そういうわけで、かまなびでは「1日1古典」を学習の目標にしています。とにかく古典に慣れて欲しいんです。

 

そうすると、コンパクトな教材で読み物として学習しやすいものがいいはずですね。

 

そのニーズに応えてくれるのが旺文社の『古典問題の征服』です。

 

文庫サイズのコンパクト教材です。

文庫本と並べてみた

訳もすぐ下にあるから、ストレスなく読めます。

設問もついてますし、丁寧な解説もあります。


これは問題集というより、読み物に近いです。


勉強の息抜きに、1日1古典を入れてみてください。さて「古典の勉強をするかよっこらせ」ではまだまだです。とにかく暗記するほど読みまくって下さい。

 

というような話を受験生にしながら、この教材を渡しています。かまなび生は励んでくださいね。