塾屋にはグータラな時間が必要だ


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先日、ツイッターで内田樹先生が興味深い指摘をしていたので紹介します。
つぶやき続き

大学改革についての僕からの提言は全力を尽くしてアカデミアに「ぼおっとしいる時間」を確保することです。授業は半期12週で十分。自己評価ともPDCAサイクルも止めて、シラバスも止めて、会議も止めて、科研申請の義務化も止めて、書類書きも止めて、教員も学生もみんな「ぼおっとする」。

お金も手間もかからない改革です。でも、それだけで大学の学術的なアウトカムの質は一気に向上します。過去15年間、日本の大学の学術的達成は劣化の一途をたどってきました。人口当たり学術論文数は世界35位、先進国中最下位レベルです。今の大学は必死になって研究教育の質を下げているのです。

文科省の教育行政が失敗しているということはその数字から明らかです。「教育政策は正しいのだが、現場の教員が怠業や抵抗でその実現を妨害しているから成果が上がらないのだ。現場の教員の権限や自由を奪えば教育政策の成果はたちまち上がる」という詭弁をいつまで許しておくのですか。


つぶやき引用ここまで。


塾業界にも似たようなところがあります。

会議なくして、報告業務をゼロにして、暇な時間を作るのが大事だと思いますね。

だって暇な時間なければ、忙しさに負けてしまい毎年同じことの繰り返しですよ。

塾屋の仕事って、あれこれ指示出されて仕事してるうちは、一向に仕事の質が上がらないんですよ(他の仕事でもそうかもしれません)。

自分で気が付いて必要な仕事に優先順位つけてやるだけです。現場の裁量でやるしかない。

管理職なんて必要ないです。塾屋は。

そんなものは、非効率で、生徒・保護者側に管理職用の人件費負わせるだけで中身は空っぽになっているのが現状です(経験談)。

そういうことを言うと「サボる社員が出てきてしまうよ。」と言う人がいますね。たいてい「できる社員」の人達がこういうこと言い出します。

俺はこんなに仕事してんのにあいつがサボってるから塾生が減り売り上げが減るんだと。

大手塾で働いていたときにいました。こういう人達。

ただし、この勧善懲悪型の思考をすると、そもそも塾自体のシステムの瑕疵に気がつけないんですよね。

いわゆるできる社員という方達と話したことがありますけど、塾自体の瑕疵について彼らと話したことがありませんでしたね。そこまで思考が至っていないという印象を受けました。

要するに、「あいつのせい」とした方が自分が際立つからなんでしょう。



生徒が他の塾に取られているなら、それは働いている個人の問題というより「塾の仕組み」の問題だと僕は思います。


その問題となっている仕組みとは、「働いている人の裁量が少なくグータラ思考する時間がないから」なんです。フリーの時間がなければ、細やかな塾自体のアップデートは行われず思考停止したまま何年も経ってしまうからです。

新たに参入してきた塾に生徒が流れるのは当然なんですよ。



直感ですけど、

現場の裁量に任せてあれこれ口出さない塾(サボる社員が出てしまったとしても)と

会議やって報告書提出させて、トップダウンでわけの分からない教材導入して、お客様アンケートで社員の悪いところをあぶり出すように徹底した管理でやっている塾(僕が働いていた大手塾の例)とで

生徒・保護者の満足度、学習効果、受験結果って正直変わらないと思いますよ。

だって、サボる社員は徹底管理でやってもサボり続けますからね(今もサボりながら長く働いていることでしょう)。

そういうところはもう放っておいて、裁量与えられて伸び伸びと動ける人達に期待した方がいいです。しかも管理費はゼロですからコストもかかりませんよ。

確かに、売り上げに関しては、徹底管理した方が短期的には結果が出るでしょう。ノルマつくって無理させるわけですから。

ただそれは長期的に見ると、必ずしもプラスにはならない。だって管理しすぎた分だけ塾で働いている人達が思考停止して、他の塾に生徒を取られてしまうからです。働いていてもつまらないので良い人材も集まりません。僕が働いていた大手塾も、長く働いている人はほとんどいませんでしたよ。

これからは独立系の塾屋の人が増えるでしょうね。大手の塾で長く勤めてもつまらないですし、将来を期待できるようなところがあまりないですから。組織で管理職つくって塾をやるメリットがほとんどない業界です。むしろ大手塾、あとはコンビニ塾をネタにブログ書きながら塾をやる方がインパクトありますよ。


大手塾・フランチャイズのコンビニ塾でまだ消耗してるの?


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