ローカル専用教材が普遍性をもつことが起こりうるという逆説


前回からの続きです。大手の塾などがつくった無料の映像教材が出回り始めているという話でした。最近CMで宣伝しているものは、世界に向けて無料の映像授業を発信するというもののようです。いわばグローバル教材とでもよびましょうか。


この対極にあるのが、ローカル教材です。


ローカル教材とは、その塾に通う子達のためと思って作った教材のことをさします。

 

そのようなローカル教材でも、全国の子達がやりたいとなることだってありえます。

 

zuknowが良い例でしょう。自分専用のローカルな暗記帳が、日本全国の人に選ばれ共有するということが起こっています。

 

 

かまなびでも学校から出された宿題のフォロー教材を作っているときに教材案を思いついてzuknow上で作ることがあります。

 


最近、思いついた教材は、「音と意味」から「ふさわしい漢字を結びつける」というトレーニング教材です。zuknowで作成中です。

 

「漢字の書き」が苦手な子の場合、「音を聞いて、意味にふさわしい漢字の候補がすぐに思い浮かばない」ことが多いと日々感じています。

 

だから熟語を覚えるときに、


全て丸暗記になる


人より苦労するのに、なかなか覚えられない


だから漢字練習したくない


もっと書けなくなる


というような負のスパイラルに入っている気がします。

 

それを少しでも楽にしようと思いついたのが、この「音意漢結トレーニング」なんです。

例えば、音と意味から漢字を結びつけるトレーニング(音意漢結トレーニング)

これは学校の宿題で同音異義語の意味と、それぞれの単漢字の意味を調べてノートにまとめるという宿題が出まして、塾のみんなで分担して作っている中で思いつきました。

 

せっかくつくって宿題だけで提出するのはもったいない。この宿題は手間はかかるが、漢字練習にとっては重要な何かを秘めている気がする。同音異義語の漢字の書き間違えをしているような生徒にも役に立ちそうだ。そんなことを思って作っています。

 

ところで、大手の塾が教材を作るときの落とし穴が、「最初から普遍的なコンテンツをつくろう」としてしまうことです。

 

この発想は、みんな同じこと考えているので競争が激しく、お金かけてつくった割に供給過剰ですぐに価値が低くなる可能性が高くなります。

 

私が勤めていた大手の塾でつくっていた映像コンテンツも今では時代遅れで売れていないんじゃないかな。周りに無料の映像教材があふれていますから。

 


ローカルな要望で作り上げたものが、普遍性をもつことがあります。アニメや漫画などの日本の文化はまさにそうじゃないですか。世界中の人達が読みたい・見たいとなっています。

 

 

だからかまなびはローカルな要望に応えるための教材を惜しみなく作っていきます。ローカルすぎて競合する人がおらず、せっかくつくったのに供給が多すぎて作る意味がなくなってしまうということもあまり起こらないのですから、時間をかけるだけの価値があります。


そしてそれが結果的に多くの人達から支持を得るときがきたら…と考えています。